わかりやすい服忌

●服忌(ぶっき)とは?

古来 私たち日本人は 家族や親族に「弔事」が生じた場合に その心の痛みを拭い去り 不幸を乗り越えて正常な家庭生活を営むため節目にとある一定の期間をもうけて喪(も)に服(ふく)し慎むことが慣習でした。
これを「服忌(ぶっき)」や「忌服(きぶく)」又は「喪(も)がかかる」「日がかり」などと表現して 主に家庭や地域における「神祭り」「ハレの行事」への参画をしばらくの間 遠慮することを習わしとしてきました。清浄(せいじょう)を尊び 穢(けが)れを忌(い)む日本人の倫理観がこれに見られます

●忌中(きちゅう)・喪中(もちゅう)とは?

◇忌中
「忌」とは死を畏(おそ)れ忌(い)みをはばかるという意味で 死の穢(けが)れのある間は派手なことを控えて身を慎み その死を悼み御霊(みたま)鎮(しず)めのための避けられない期間。
◇喪中
「服」とは もともと喪服(もふく)を着用することをいい忌(き)明(あ)けの後も身を慎み悲しい気 持ちを乗り越えて平 常心に立ち返ろうとする期間。

◇忌中の心得
●葬儀家(弔(とむら)いを出した家)にあっては 神棚を白紙で覆います。
●地域での祭礼行事への参加・神社への参拝 境内に入ることを遠慮します。
●結婚式・祝賀会・式典などへの出席 行楽旅行などを控えます

◇忌明けの心得
●神社にて忌明けのお祓いをしてもらい神棚の白紙を除き神棚祭を再開し平常の拝礼をします。

●忌の期間に「伊勢さま・氏神さま」の御札の頒布があった場合 忌明け後に神社に出向いてお受けします。

◇「服」期間の心得
●忌明け後の派手な宴席は慎みますが、神社参拝や祭礼行事など神事に係わること、また正月行事や年賀状を含む年賀 挨拶については差支えありません。
●心情として死別の悲しみの中にあっても、徐々に日常の生活に立ち返るようにします。
●故人を悲しむ気持ちを乗り越えて、御先祖様として敬いの気持ちでお参りしましょう。